お役立ちコラムCOLUMN
食品工場内の洗浄作業を効率化するポイント|洗剤・時間などを見直す
食品工場の業務効率化を目指す場合、製造工程だけでなく「洗浄作業をいかに効率よく行うか」も重要な検討事項です。無駄な洗浄工程や非効率な方法などを見直すことで、洗浄にかかるコストや人員、時間を削減できます。
本記事では、食品工場内の洗浄作業を効率化するポイントをまとめました。
食品工場の洗浄作業を効率化するには?見直したい5つのポイント
食品工場の洗浄作業を効率化するには、洗浄時間の削減や、洗浄作業にかかる労力の軽減などを検討しましょう。効率化のために見直したいポイントは次の5つです。
- 使用洗剤を見直す
- 洗浄時間を見直す
- 洗浄ラインの配置・長さや流速を見直す
- 使用する洗浄道具を見直す
- 洗浄環境を見直す
使用洗剤を見直す
さまざまな種類の汚れが発生する食品工場においては、汚れの種類に応じた洗剤を使い分けることで効率よく洗浄できます。取り扱う材料の種類・特性、製造方法、機器・ライン構造に適した洗剤を導入し、洗浄時間の短縮や洗浄効果向上、使用洗剤量の削減を目指すのがよいでしょう。
例えばタンパク質や油分などの有機物の汚れにはアルカリ洗剤、水垢(スケール)といった無機物の汚れには酸性洗剤がおすすめです。また、同じアルカリ性でも油分に強い、乳製品に強い、漬け置き洗いに適すなど、洗剤の種類ごとに強みがあります。
洗浄時間を見直す
洗浄の効率化を図るには、現状の洗浄時間が本当に適切なのかを見直しましょう。見直しポイントの例は次の通りです。
- CIP(定置洗浄)時の洗浄時間(洗剤の循環・漬け置き時間、すすぎの時間が長すぎないか)
- 熱湯殺菌や塩素殺菌などの殺菌工程(殺菌時間が長くないか、そもそも殺菌が必要な工程か)
- 洗浄の有無(頻繁な洗浄をしなくても微生物が発生しない原材料か否か )
配管の位置・長さや流速などの条件を見直す
洗浄効果の大小は、洗剤などの化学エネルギーだけでは決まりません。流速や圧力などの物理エネルギー(運動エネルギー)や、熱エネルギーなども重要な要素です。
例えば配管の位置や長さが不適当だと、流速に影響が出て洗浄効果が落ちる可能性があります。また、アルカリ洗剤・酸洗剤・すすぎの効果が大きくなる液体温度 や、汚れごとに落ちやすい温度なども存在します。
配管の位置・長さ、洗浄液の流速、洗浄液の温度などの物理エネルギー・熱エネルギー面を見直すことで、洗浄期間の短縮や洗浄効果の向上が期待できるでしょう。
使用する洗浄道具を見直す
ポンプ部品や細かい器具などCOP(分解洗浄)で対応するところは、使用する洗浄道具が見ない祖ポイントになります。注目点の例は次のとおりです。
- 汚れや機器素材に応じた道具か(キズを付けないか)
- 適切な物理エネルギーを伝えられるものか
- 狭いところにも届く形状のものか
- 泡洗浄機・超音波洗浄機などの、機械・システムを導入して効率化できないか
作業環境を見直す
洗浄時間・条件・器具などを設定しても、洗浄担当者が適切に動けなければ効率的な洗浄につながりません。担当者の洗浄作業がスムーズに進められるよう、作業環境そのものの見直しも進めましょう。見直すポイントの例は次のとおりです。
- 洗浄作業準備の流れを分析して作業の平準化を行い、誰でも同じレベルで洗浄作業ができるようにする
- 洗浄道具や洗剤の保管場所の5Sを行い、スムーズな道具の出し入れや在庫確認ができるようにする
- COP用の作業台作成や洗浄作業用のスペースの確保など、洗浄作業員が作業しやすい環境を整える
まとめ|効率的な洗浄の実現は効果検証が重要
食品工場の洗浄作業を効率化するには、洗浄に使用する洗剤や道具、洗浄条件、作業環境の見直しがポイントです。洗浄作業が効率化できれば、作業時間やコストの削減につながります。
ただし、改善内容を実際に作業へ落とし込む前には、必ずテストを行い洗浄効果の検証を実施してください。効率性を重視しすぎるあまり、洗浄不良による微生物やコンタミネーションの発生、HACCPや食物アレルギー表示規定からの逸脱など、品質事故が発生するリスクは必ず避けましょう。
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この記事の監修者
KK MAGNET 事務局
KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去・磁力検査や粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。
本コラムはKK MAGNETが監修するお役立ちコラムです。
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