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医薬品・食品工場における異物混入への対応策|問題点や混入事例も解説

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    医薬品や食品は直接人体へ入るものであることから、他製品以上に異物混入への対策が重要となります。異物混入による問題点や事例を確認しつつ、適切な対策を講じれるようにしましょう。本記事では、医薬品・食品工場における異物混入の問題点や対応策を解説します。

    医薬品・食品工場における異物混入の問題点や事例

    医薬品・食品工場における、具体的な異物混入の問題点や事例を見ていきましょう。

    医薬品・食品工場の異物混入の問題点

    医薬品・食品への異物混入の問題点は次の通りです。

    • 消費者からの評判が下がり、リピーターの減少につながる
    • SNSで異物混入の事実が拡散され、企業ブランドが低下する
    • クレーム対応や製品回収の労力がかかる
    • 体内に接種した人の体調不良を引き起こす

    工場においては、「製品異物がに一切入らない対策」を取るのがベストです。しかし、どれほど注意して対策を講じても、異物混入を100%防ぐことは非常に難しいのが現実です。重要なのは異物混入の発生を防ぐ対策を打ちつつ、発生してしまったときの対応策を整えておくことです。

    医薬品・食品の製品回収・報告事例

    出荷後に医薬品・食品への異物混入が発覚した場合、異物混入が疑われる製品等が現状以上に出回らないように製品回収を行います。

    独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の回収情報によると、異物混入による回収事例として次のものが報告されています。

    • 入浴剤からステンレス製の金属片が出てきた
    • 漢方の分包品に製造工程由来の結束バンドの樹脂片が入っていた
    • カプセルに人毛が挟まっていた
    • 豆乳の中に製造工程由来のゴム手袋の破片が入っていた

    また、食品への異物混入についても年間何件におよぶ報告が集まっています。東京都福祉保健局「令和3年度(2021年度) 食品衛生関係苦情処理集計表 」によると、2021年から過去5年間に東京都内の保険所等に寄せられた異物混入の件数は、次のとおりになっていました。

    年度 異物混入件数
    2021年度 3,620
    2020年度 4,440
    2019年度 4,849
    2018年度 5,034
    2017年度 5,164

    医薬品・食品工場における異物混入に対応策

    ここからは、異物混入が発生してしまった際の対応策について解説します。

    混入した異物の分析・原因追求

    異物混入が報告されたら、どのような異物が製品に入ったのかを確認し、どのような経路で混入したのかを推測・調査します。チェックすべき項目は次のとおりです。

    • 異物の種類の確認(原材料由来、製造ライン由来、毛髪、虫など)
    • 異物の発生が疑われる箇所の調査
    • 異物発生に原因となる事象の有無の確認(製造設備の変更・加工、原材料の変更など)
    • 混入していた異物の状態の確認(表面に付いているか、埋没しているか、大きさ、色調、欠けなど)

    異物の詳細なチェックをするなら、マイクロスコープや顕微鏡での外観検査、顕微鏡フーリエ変換赤外光分析法といった有機物分析、X線を用いた無機物分析、菌類の培養などによる生物分析などを行います。

    その後は分析結果の共有や現場調査、従業員へのヒアリングなどを基に、異物混入の原因を特定しましょう。

    原因に応じた対応策の策定・実施

    特定した異物混入の原因に応じて、どのように対応するかを決定します。例えば機械設備由来なら発生箇所の部品交換やメンテナンス、原材料由来なら問題ロットの原材料の使用停止などが挙げられます。

    また、異物混入した経緯や対応策を報告書にまとめ、取引先や消費者へ説明することも大切です。ここでの対応を誤ると、企業の信頼が一気に失墜します。

    再発防止策を講じる

    応急的対応や取引先・消費者への報告が滞りなく終わった後は、今後同じ原因による異物混入が起こらないよう再発防止策を講じましょう。再発防止策を作らなければ同じような異物関係のトラブルに見舞われ、取引先や消費者からの信頼を失います。また、製品回収や検査にかかる余計な労力・コストも継続的に発生するでしょう。

    再発防止策の例としては、次のものが挙げられます。

    • 作業服・作業帽の着用ルール、入室前確認ルール、現場持ち込み品ルールの見直し
    • 機械設備のチェック項目やメンテナンス頻度・内容の見直し
    • 外観検査、画像検査、不良品仕分け装置などの機械・システム関係の導入検討
    • マグネットやストレーナーなど、異物を取り除く機器の導入検討

    まとめ|医薬品・食品製造の工場は徹底した異物混入対策を!

    医薬品・食品へ異物が混入すると、製品回収などの各種対応の発生や世間からの評判低下など、工場にとって非常に大きな損失につながります。異物を発見したときは徹底した分析と迅速な対応、対応後は再発防止策の策定・実行を行いましょう。

    この記事の監修者

    ケーケーマグネット株式会社

    KK MAGNET 事務局

    KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去磁力検査粉体輸送、省人化等の事業です。
    プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。 本コラムはKK MAGNETが監修するお役立ちコラムです。

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