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医薬品への異物混入の事例|どのようなケースで起こりうるのか
工場で製造された医薬品に対しては、製造中や出荷前にさまざまな異物混入対策・検査が施されています。しかし、それでも異物混入件数をゼロにするのは非常に困難です。
医薬品への異物混入対策を講じるには、どのような事例で異物混入が発生しているかを事前に理解しておき、防止策のイメージを膨らませておくことが重要になります。本記事では、医薬品への異物混入の事例を紹介します。
医薬品への異物混入事例まとめ
医薬品への異物混入の原因として考えられるのは、主に次のとおりです。
- 製造ラインにある機械設備の劣化や削れ、欠けなどで金属が混入する
- 化学変化や微生物発生などが原因で、異物となる物体が発生する
- 製造ラインのパッキンやOリングなどが欠けて製品へ入る
- 原材料由来の大きめの粒などが除去しきれず、製品へ入る
医薬品への異物混入の発生をゼロに抑えるのは難しく、消費者からの指摘などで初めて発覚するケースも珍しくありません。ここからは独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の「回収情報(医薬品)」 などを参考に、医薬品への異物混入事例を紹介します。
混入事例1.化粧品や医薬品に金属成分を含む微細な異物混入
2023年6月、口内洗浄・口臭防止などに用いられるマウスウォッシュの対象ロットの一部(約4か月分にて、金属成分を含む微細な異物が出荷品から検出された事例です。約3万5,000本の自主回収となりました。
また、2023年3月には大手医薬品メーカーの製品が自主回収となっています。こちらの事例は、大手医薬品メーカーで使用している原材料の製造会社にて金属混入が確認されたケースです。大手医薬品メーカー側には問題がなかったものの、万全を期す意味で自主回収となりました。
いずれのケースも異物の混入は極めて微量であり、健康被害が発生するレベルではありません。しかし、安全性を優先して自主回収を行っています。
混入事例2.医療用医薬品より菌が検出
2022年10月、液体の医薬用医薬品より異物混入が報告された事例です。こちらは金属や毛髪ではなく、無菌製造エリアの洗浄プロセス不十分が原因とされる、糸まり状真菌が異物となっていました。
原因追求の結果、当該製品が製造されたロットのみに環境の不備があり、市場出荷したロットについては無菌性検査含む出荷試験に適合したことが確認されています。他の異物混入報告もなかったことから単発の事象と推測されたものの、万全を期すために回収対象ロットの自主回収を実施しています。
医薬品の場合、製品外部の無機物由来の異物だけでなく、洗浄不良による汚れ・菌なども異物として検出されるリスクがあります。
混入事例3.製造ラインに残留した異物が付着
2022年7月、錠剤に付着した黒い異物が原因で5ロット分の製品回収になった事例です。付着していた異物は、同一製造ラインで製造した他製品の粉体でした。製造ラインに残留したまま当該製品を製造し、混入したものだと考えられます。
医薬品に微生物的な問題がなくても、原材料の残留物などが由来の異物混入にも注意が必要です。
混入事例4.ライン中のパッキンが劣化
医薬品の原液の製造工程中、使用しているパッキンがボロボロになっているのを作業者が発見し、そこから他ロットにて青いガラス片の異物が見つかった事例です。こちらは原液の成分と仕様パッキンの素材が合っておらず、パッキンが劣化したことで異物混入につながったと考えられます。
幸い製品化前の原液の状態で留まっていたので、製品回収には至りませんでした。医薬品はさまざまな薬品を使うことから、製造ライン中の素材との相性が悪いと、劣化による異物混入の危険があります。
まとめ|医薬品の異物混入対策は万全を期すことが大切
医薬品への異物混入を防止するには、使用する原料の検査、製造ライン中の異物除去、機械設備の定期定期点検・メンテナンス、出荷前の各種検査など、各工程における異物混入対策を講じることが大切です。医薬品への異物混入がどのような状況で発生するかを知り、事前に対策時の重要ポイントとして押さえておきましょう。
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この記事の監修者
KK MAGNET 事務局
KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去・磁力検査や粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。
本コラムはKK MAGNETが監修するお役立ちコラムです。
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