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プラントの老朽化問題とは?対策やメンテナンスについて
プラントの老朽化問題とは、プラントの設備・機器や建物そのものの劣化が進み、安全性や生産性 でさまざまな問題が発生するリスクです。高度経済成長期などを経て建設されたプラントが、数十年経過して徐々に老朽化が進んでいると言われています。
本記事では、プラント設備の老朽化問題の具体例や、老朽化への対応方法などを解説します。
プラント設備の老朽化問題
プラントは複数の設備・機器からなる施設であるため、各設備・機器の老朽化がプラント全体のトラブルにつながるリスクがあります。
プラントの老朽化によってどのような問題があるのかを解説します。
設備・機器老朽化による安全面のトラブル
プラントの設備・機器が老朽化すると、製造ラインの異常や設備の故障などをきっかけに労働災害が発生するリスクが発生します。設備・機器の老朽化による安全面のトラブルとして、次のものが挙げられます。
- 製造中に機械の停止トラブルが発生し、イレギュラーな対応による焦りで転倒や衝突などが発生する
- 機械の老朽化や部品の欠損などを放置したまま稼働させて誤作動を起こし、機械への挟まれ・巻き込みなどが発生する
- 老朽化が原因の漏電や、誤作動による火花などによって感電・やけどなどのケガや、火災などが災害が発生する
- 劣化した部品が機械から弾かれ、従業員の身体に当たる
- 台風や地震などの自然災害への耐性が弱くなり、建物部分の倒壊などが発生する
プラントで働く従業員がケガをすると、従業員の身の危険に加えて、職場の生産性の低下や企業の評判の低下につながります。
生産性の低下
プラントの設備・機器の老朽化が進むと、工場の生産性が大きく低下するリスクがあります。老朽化によってプラントの生産性が低下する理由は次の通りです。
- 設備・機器の能力が劣化し、製造ラインの稼働率が低下する
- 故障やその他トラブルが起こりやすくなり、長時間製造ラインが頻繁に止まる可能性がある
- 不良品が発生して、検品時間や原材料・資材ロスが発生する
- 設備・機器の能力や稼働率を維持するためにかかる、維持管理コストが増大する
製造数、製造時間、人件費など、プラントの生産性にかかわるさまざまな部分に、老朽化は悪影響を及ぼします。
老朽化とともに注意したい「陳腐化」
時間経過によって起こるプラントの問題は、老朽化だけではなく陳腐化も存在します。プラントにおける陳腐化とは、プラントの設備・機器などの経済的価値や機能的価値が、導入当初よりも減少している状態です。
新しい技術や新製品・型番が市場に出回ると、昔から使っている設備・機器のままでは、他のプラントの設備・機器と比較して相対的に能力が落ちます。また陳腐化したものは旧式となるため、関係部品の製造停止やメンテナンスサービスの終了などが発生し、新しい部品の入手や整備が困難になります。使用を止めた古い機器から同じ部品を取って再利用する共食い設備と呼ばれる手法もありますが、いずれは限界がくるでしょう。
陳腐化した設備・機器を放置していると、安全面や生産性でさまざまなリスクを背負うことになります。
プラントの老朽化を予防する重要性とは
プラントの老朽化を防ぐには、問題が発生してから対応するのではなく、普段から老朽化を予防することが重要です。老朽化が起因となるトラブルが起きる前に対策しておけば、大ケガをともなう大事故や長時間の生産停止など、プラントに関する大きな損失を回避しやすくなります。
また、普段から老朽化の予防と対策を実施しておけば、「部品が欠落したまま稼働させる」「機械の動きが不安定なまま製造を行う」といった、プラントの無理な稼働を防げます。設備・機械の寿命や安定稼働期間の長期化につながるでしょう。
さらに普段からプラントの老朽化に対する意識をプラント全体で共有すれば、従業員の意識改革やメンテンナンス技術向上にも期待できます。
プラントの老朽化への対策方法
プラントの老朽化は、普段から対策を実施することで予防ができます。プラントの老朽化への対策方法の具体例を見ていきましょう。
設備・機器や部品類の寿命を把握しておく
プラントの設備・機器や部品類は、いくら定期的にメンテナンスしたり無理な使い方を避けたりしても、経年劣化によって性能や耐久性が落ちます。そのため設備・機器や部品類の寿命をしっかりと把握しておき、使える限界を見定めておきましょう。
設備・機器や部品類の寿命を見る目安としては、法定対象年数やメーカーの推奨使用期間を参考にするのがよいです。摩擦が発生する、高熱が発生する機器である、屋外で使用するなど製造環境が過酷な場合は、寿命の見積もりに余裕を持ち、早めの部品交換や廃棄を検討することをおすすめします。
定期的なメンテナンスを実施する
プラントの設備・機器には定期的なメンテナンスを実施し、できる限り良い状態で稼働できる時間が長くなるようにしましょう。老朽化を予防する上で定期的なメンテナンスを実施するメリットは、次の通りです。
• 設備・機器の問題や、部品の劣化などを早期発見できる
• 良い状態で稼働できる機械や稼働時間が増え、生産性やエネルギー消費量の維持につながる
定期的なメンテナンスを実施するときは、設備・機器に応じたメンテナンススケジュールの作成、担当者の割り振り、交換用の予備部品の管理・事前確保などを進めましょう。
また、予防保全(点検・修理・部品交換を定期的に行うこと)や予知保全(設備・機器が壊れるのを予知して保全すること)に分け、対策を実施することをおすすめします。
寿命を迎えた設備・機器を見極めて更新・廃棄を検討する
老朽化して寿命を迎えた設備・機器は、無理して使い続けずに、適切な更新・廃棄を検討しましょう。
もったいないからと寿命の設備・機器の更新・廃棄を渋っていると、むしろ余計なランニングコストがかかったり、致命的な大事故でプラントに損害を与えたりするリスクがあります。
ただし更新・廃棄にもコストや労力がかかるので、実施する際は事前に予算やスケジュールを決めておくのがよいです。
老朽化や設備保全についての教育・訓練を実施する
プラントの老朽化へ対応するには、老朽化や設備保全についての教育・訓練を従業員に実施することも大切です。保全関係の作業を正しく実施するには、実施する従業員の正しい知識・技術が必要になるからです。
老朽化によるデメリットや設備保全の基本などの理解に加えて、自社プラント独自の作業内容、設備等の性能・構造・動作の把握が必要です。
プラントの通常業務と並行して教育を進めるのは労力がかかりますが、時間を割いてでも教育・訓練を実施することをおすすめします。事前に教育体制や環境を整えておくことが大切です。
まとめ|プラントの老朽化にしっかりと対応しよう
プラントの老朽化は、誤作動や欠落といった安全性の問題や、製造ラインの停止や不良品発生などの生産性の問題などにつながる大きなリスクです。プラントの老朽化への対策として大切なのは、定期的なメンテナンスや設備・機器の寿命の管理などが大切になります。
設備・機器の寿命がまだ大丈夫だと思った際にも、実物の状態や製造環境などをチェックし、余裕があるうちに対応しましょう。トラブルが起こってから対応する事後保全だけでなく、未然に老朽化を発見する予防保全・予知保全が、プラントの老朽化への対応として重要です。
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この記事の監修者
KK MAGNET 事務局
KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去・磁力検査や粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。
本コラムはKK MAGNETが監修するお役立ちコラムです。
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