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磁力選別機の種類別特徴まとめ!用途に応じた選び方

工場の生産ラインやリサイクル現場などで活躍している「磁力選別機」。
異物混入対策や資源回収に欠かせない機械ですが、実はさまざまな種類があり、それぞれ特徴や適した用途が異なります。

この記事では、磁力選別機の代表的な種類ごとの特徴をわかりやすく解説し、それぞれの用途に応じた選び方についても詳しくご紹介します。
磁力選別機を初めて導入する方や、既存の機種の見直しを検討している方にも役立つ内容になっています。

磁力選別機の基本的な仕組み

磁力選別機は、強力な磁石の力を使って、対象物から金属異物を取り除く装置です。
金属成分を持つ異物が磁場を通過すると磁石に引き寄せられ、製品や資源から分離されます。

使われる磁石は、大きく分けて以下の2種類です。

  • 永久磁石タイプ:電源不要で長期間安定した磁力を維持
  • 電磁石タイプ:電気を使って磁力のON/OFFが可能
  • これらをうまく活用して、異物の除去や資源回収の効率を大きく向上させるのが磁力選別機の役割です。

    磁力選別機の主な種類と特徴

    ここからは、代表的な磁力選別機の種類について、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

    プレート型磁力選別機

    特徴

    プレート型磁力選別機は、平らな磁気プレートを製品搬送ラインの上や下に設置し、対象物がその下(または上)を通過することで金属異物を吸着するタイプです。

    メリット

    • 構造がシンプルで、導入・設置が容易
    • メンテナンスが比較的簡単
    • 小規模ラインにも適している

    デメリット

    • 大量処理や高速ラインには向かない
    • 強力な除去が必要な場合は力不足になることも

    主な用途

    建築資材、リサイクル品、粗大ゴミ処理ラインなど

    • 食品工場のライン上での異物除去
    • 軽量物の搬送中の金属片除去

    ドラム型磁力選別機

    特徴

    ドラム型は、回転する筒状のドラムの内部に磁石が組み込まれており、対象物がドラム表面を通過する際に金属異物だけを吸着し、分離排出します。

    メリット

    • 連続運転に適しており、大量処理が可能
    • 金属異物を自動で分離・排出できる
    • ラインのスピードに合わせた柔軟な対応ができる

    デメリット

    • 本体価格がプレート型に比べ高価
    • 設置スペースがやや大きい
    • 定期メンテナンスが必要

    主な用途

    廃棄物処理場、製鉄所、鉱業関連

    • リサイクルプラントでの金属回収
    • 廃棄物処理施設での金属除去

    グリッド型磁力選別機

    特徴

    格子状(グリッド状)に配置された複数の磁石バーにより、細かい異物までも確実にキャッチする高精度タイプです。

    メリット

    • 微細な金属粉まで除去可能
    • 清掃・交換が比較的容易

    デメリット

    • 流量が多い場合には適さない
    • 頻繁な清掃が必要なケースもある

    主な用途

    食品加工ライン、化学製品、医薬品製造ラインなど

    • 医薬品や精密部品の製造ライン
    • 高精度が求められる食品加工工場

    オーバーヘッド型磁力選別機

    特徴

    搬送ベルトの上方に磁石を設置し、製品が通過する際に金属異物だけを上から引き上げて除去する方式です。

    メリット

    • 既存ラインにも後付け設置がしやすい
    • 製品にダメージを与えにくい

    デメリット

    • 設置高さや搬送物との距離に注意が必要
    • 磁力が届く範囲に制限がある

    主な用途

    食品、廃プラスチック、原材料処理ラインなど

    • 食品製造ライン
    • 軽量資材搬送システム

    エディカレント型(渦電流型)磁力選別機

    特徴

    非磁性金属(アルミニウム、銅など)を分離する特殊な選別機で、回転する磁場を作り、非鉄金属をはじき飛ばして除去します。

    メリット

    • アルミ缶や銅線などの回収に最適
    • 資源リサイクル効率が大幅アップ

    デメリット

    • 鉄などの磁性金属には効果がない
    • 機械が大型化しやすい

    主な用途

    • 廃棄物リサイクル施設
    • 金属資源回収業

    用途に応じた磁力選別機の選び方

    対象物の種類・大きさで選ぶ

    処理する対象物が「粉体」なのか「粒状」なのか、またその大きさによって選ぶ機種が変わります。
    微細な異物除去ならグリッド型、粗大物対応ならドラム型やオーバーヘッド型が有効です。

    処理量・生産スピードで選ぶ

    大量処理を求められる場合は、連続運転が得意なドラム型がおすすめ。
    一方、小規模ラインならプレート型でも十分効果を発揮します。

    設置スペースを考慮する

    工場内のレイアウトや設置可能スペースに合わせて選びましょう。
    オーバーヘッド型は既存ラインの上に設置できるため、省スペース化にも貢献します。

    ランニングコストもチェック

    電源不要で使える永久磁石タイプはランニングコストを抑えられますが、頻繁に磁力調整が必要な場合は電磁石タイプが便利です。
    運用コストまで含めた総合判断が大切です。

    まとめ

    磁力選別機には、プレート型、ドラム型、グリッド型、オーバーヘッド型、エディカレント型など、さまざまな種類があります。
    それぞれに特徴と適した用途があり、自社の製品特性やライン環境に合わせて最適な機種を選定することが重要です。

    選び方のポイントは、対象物の種類・大きさ、処理量、設置スペース、コストのバランスをしっかり見極めること。
    適切な磁力選別機を導入することで、異物混入リスクを低減し、生産性向上とコスト削減を同時に実現できるでしょう。

    この記事の監修者

    ケーケーマグネット株式会社

    KK MAGNET 事務局

    KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去磁力検査粉体輸送、省人化等の事業です。
    プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。 本コラムはKK MAGNETが監修するお役立ちコラムです。

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